水性塗料と油性塗料、どちらがおすすめ?
2022-11-18
塗装のこと
外壁塗装の塗料には『水性塗料』と『油性塗料』があります。
いざ外壁塗装をしようと思っても、どちらの塗料を選べばよいか迷うかもしれません。
実際にお客様から「水性と油性のどちらを選べば良いの?」と質問されることがよくあります。
水性塗料と聞くと「水に溶けてしまうのではないか?」と不安に感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。
水性塗料と油性塗料にはそれぞれに特徴があり、絶対にこちらを選ばなければいけないという明確な正解はありません。
建物の材質やお客様のご希望などの条件によって適した塗料は変わります。
ここでは水性塗料と油性塗料の違いや、それぞれのメリット・デメリットについて詳しくお伝えします。
外壁塗装専門店 ペイント王 【寝屋川店】から塗料についてお話させていただきます。
水性塗料と油性塗料の違い
水性塗料と油性塗料の違いを説明する前に、塗料がどのようにできているのかを簡単に説明しておきましょう。
塗料の原料には色を付けるための顔料、塗料を塗ったものを保護する合成樹脂(シリコンやアクリル、フッ素など)、塗料の性能を補助する添加物などが使われています。これらの原料は固形(粉末等)なので、そのまま壁などに塗ることができません。
塗りやするために原料を液体にするのですが、そのために使われているのが希釈液です。
希釈液によって液状となった塗料を塗って乾燥させると、希釈液が蒸発して原料として混ぜられたものが塗った場所に定着します。
これにより顔料によって色がつき、合成樹脂が保護膜のように塗った場所を保護するのです。
水性塗料と油性塗料の違いは、原料を液体にするために使う希釈液の違いです。
水性塗料に使われる希釈液はその名の通り『水』です。
そして油性塗料に使われる希釈液はトルエンやエタノール、シンナーなどの『有機溶剤』です。
つまり、水が使われているものが水性塗料、揮発性の高い溶剤が使われているものが油性塗料です。
ひと昔前までは水性塗料の耐久性は油性塗料に比べてかなり低かったのですが、近年は水性塗料の研究開発が進み品質が向上たため、油性塗料と比べても遜色ない耐久性を実現しています。
水性塗料のメリット
水溶性塗料のメリットは以下の通りです。
・人や環境にやさしい
・揮発性有害化合物(VOC)が少ない
・いやなニオイが少ない
・引火性が低いため保管がしやすい
希釈液に水が使われているため有害物質が発生することが少ないのが特徴です。
また、シックハウス症候群の原因となる揮発性有害化合物(VOC)の量も少ないというメリットがあります。(まったくないわけではありません)
そして塗料が乾燥していくときは水が蒸発するだけなので揮発性特有のきついニオイはありません。無臭ではありませんがそれほど気になるニオイではないでしょう。
人や環境にやさしい塗料であることから、研究開発が盛んにおこなわれており品質はどんどん向上しています。
外壁塗装業者に依頼して外壁塗装をする場合、自分で塗料を保管する必要はないと思いますが、引火性が低いので保管のしやすさもメリットのひとつとして挙げられます。
油性塗料のメリット
油性性塗料のメリットは以下の通りです。
・耐久性が高い
・仕上がりがきれい
・低温でも乾燥しやすい
有機溶剤には原料を均一に混ぜ合わせる効果があります。
この効果により、外壁など塗料を塗った場所に密着しやすくなります。しっかりと密着するため耐久性が高くなります。
また、乾燥したときローラーやハケの跡もなくなります。光沢やツヤも生まれやすいため美しい仕上がりになります。
そして、水性塗料よりも水分量が少なく揮発性が高いため気温が低かったり湿度が高かったりしても乾燥しやすいという特徴があります。そのため季節などを問わず塗装工事をおこなうことができます。
また、塗る場所の素材を選ばないため、水性塗料では塗れない場所でも対応できるという特徴もあります。
水性塗料のデメリット
水溶性塗料のデメリットは以下の通りです。
・水性塗料と比べて耐久性が低い
・塗装がでいない下地が多い
・気温や湿度に左右される
・塗料のツヤが落ちやすい
油性塗料と比較すると耐久性が低くなっています。ただし、近年は品質が大きく改善して油性塗料と同等の耐久性を持つ塗料も開発されています。
水性塗料はアルミやステンレスなどの金属には付きにくいという性質があります。そのため下地の種類によって塗装ができないこともあります。
希釈液に水が使われているため、油性塗料に比べて乾燥しにくくなっています。そのため気温の低い時期や湿気の多い時期には塗装に向いていません。晴れた日に塗装をおこなうため塗装に時間がかかってしまうことがあります。
油性塗料のデメリット
油性性塗料のデメリットは以下の通りです。
・いやなニオイが強い
・水性塗料に比べて価格が高い
・揮発性有害化合物(VOC)が多い
使用されている有機溶剤の種類にもよりますが、独特な刺激臭が発生します。
またシックハウス症候群の原因となる揮発性有害化合物(VOC)が出るため、施工する際には近隣の方への配慮も必要となります。
近年は環境等への配慮から、有害物質の飛散を抑えて安全性を高めたタイプの塗料も開発されています。
価格は水性塗料と比べて高めになっています。
そして、水性塗料に比べると価格が高くなっています。
外壁塗装にはどちらの塗料が良いか?
ここまでお読みいただいておわかりのように、水性塗料にも油性塗料にもメリットとデメリットがあります。
基本的には、室内で使用する場合はニオイや環境の観点から水性塗料が向いており、屋外など耐久性が必要な場合は油性塗料が向いているといえます。
そのため外壁塗装には油性塗料が向いているといえるのですが、水性塗料の品質も向上しており耐久性も高くなっています。
油性塗料にもデメリットはありますので、外壁の素材や費用、環境、住む方のご希望などを加味して検討してください。
そして外壁塗装業者と相談をしながら決めることをおすすめします。
塗料の中にも様々な機能や特徴の違いがあります。またご希望に沿った形で場所によって塗り分ける方法もあります。
ご自身の希望を伝え、塗装業者と一緒に最適な塗料を選んでください。